「結咲、そろそろ帰るよ」


「はーい」


兄に呼ばれて、私たちは来た道を戻る。


前を歩く兄とゆかなさん。

その距離感を微笑ましく眺めながら、少し離れて、私と時原がついて行く。



「結咲」


不意に隣から呼ばれた名前。



振り向いた瞬間。


軽いキスを落ちてきた。



まるで隠れるような──秘密を共有するキス。



顔を離した時原が微笑んで……。


最後までキュンが止まらない──今日も、幸せな1日。