妹を溺愛する兄が先に結婚しました

咄嗟に瞑った目は視界を真っ暗にさせた。

そのせいかわからないけど、意識がすべて口元へ行き、全身で唇の感覚を手繰り寄せる。


電撃が走ったみたいにビリビリして、もう麻痺してんじゃないかとさえ思う。



唇がゆっくりと離れていき、目を開けた私。


だけど、まだ目の前に時原の綺麗な顔があって……。


「俺も男だから」


淡々とした中にちょっとだけ余裕のなさを含んだその声。

私の胸がキュンと鳴った──後。



また、唇を塞がれた。



もうパニック。

ずっと胸がドキドキしてる。


でも……、ドキドキをかき分けた先に、嬉しさや幸せな感情がある。


どうにかなりそうなほどドキドキして壊れそう、でも……この時間が続けばいいのに、と思う。


たくさんの感情が共存していて、不思議。


そんな私には、まだ、押し寄せる感情の波を受け止めるほどの器はなくて。


だから、キスを通じて溢れ出す。

触れたところからお互い共有するように……。



好き。


言葉にしなくても伝わるよ。


大好き。