「……っ、……うぅ……」


嗚咽する私の背中に結咲ちゃんの温かい手が乗って、さすってくれた。


「ゆかなさんは、約1年、私とお兄ちゃんを見てきて……たぶん、想像よりお兄ちゃんのイカれた姿を見たと思うけど、それでお兄ちゃんのことが嫌になった?」


手で顔を覆いながら、首を横に振る。


「それでも好きなんだよね?」


コクリ頷いた。


「私……お兄ちゃんは、ゆかなさんのそういうところが好きなんじゃないかと思うよ」


これじゃあ、どっちが大人でどっちが子供かわかんないや。


安らぎの言葉をくれる結咲ちゃん。

やっぱり、桜太くんと結咲ちゃんは兄妹だね。


人に寄り添える、優しい優しい兄妹。



~Side ゆかな END~