妹を溺愛する兄が先に結婚しました

「はぁ……」


たった1人、リビングに残された私は、ため息混じりの息が漏れて、項垂れる。


いつからこんなに拗れていたのだろう。


一途な兄の想いに応えられないもどかしさが、後になって押し寄せてくる。


ごめんも言えない。

ありがとうも言えない。


言葉にできるのは、兄を傷付けるものばかり。


ずっと兄をうざく思っていたけれど、今になって気付くのは、自分の中の兄の存在が思ったより大切だったこと。


兄に優しくしてもらった日々は、私に強く根付いていた。