もっと根本的な話。


真崎の話じゃなくて……、

夏目自身の気持ち。



「夏目は、俺のことが好きなの?」



淡々と吐き捨てた。


ビクッと肩を上げた夏目は、見る見るうちに顔を赤くしていく。



俺は、真崎と違ってあまり人の感情に敏感じゃない。


特に、自分に向けられる想いはわからない。


真崎の気持ちも、好きって言われるまで気付かなかったし。


それでも夏目の気持ちを察したのは、保健室で話した時。


あの時、俺は……真崎への気持ちを自覚した直後だったから、

『一緒にいてほしい』という気持ちが痛いほどわかった。


どの程度のものかは知らないけど、好意を寄せられていることには気付いた。



だけど……。


「……違い、ます」


伝える気がないみたいだからどうしようもなかった。


「そう。じゃあ、俺の気持ちを言うね」


「え……?」


「前に真崎のことを聞かれたよね。俺、あの時嘘ついた」


「──っ!」