妹を溺愛する兄が先に結婚しました

立ち上がって、鞄を持つと。


「こういうのは、ちゃんと言った方がいいのかな」


時原がコホンと咳払いを1つ。

手を差し出してきた。


「俺と付き合って」


差し出された手に、自分の手を合わせて。


「うん!」


私は、笑顔で答えた。


家路に就く2つの影は、さっきよりも近い距離で並んでいた。