妹を溺愛する兄が先に結婚しました

「送っていただいて、ありがとうございました」


いつの間にか家の近くまで来ていた。


「ここまででいいの?」


「はい。お兄ちゃんに見つかったら面倒くさいので」


「そっか。じゃあね」


帰っていく先輩の背中を見送った。


もし先輩と付き合ったら、こういうことが当たり前になるのかな。

なんて思いながら……。



***



あれから。

どんどん菅原先輩と距離を詰めていった。


最近、先輩はスキンシップが多いことに気付いた。


頭を撫でたり、手を握ったり。

話す時も距離が近いし。


それらをすべて自然に行う。


(かえ)って、私が戸惑うくらい。