妹を溺愛する兄が先に結婚しました

言葉を紡ぎたい。

なのに、先に感情が溢れ出る。


ちゃんと告うって決めたのに。

こんなことになるなんて思わなかったから。


届けたい。


その気持ちが先行して……。


私は、しゃがむ時原の胸に飛び込んで、抱きついた。


「──っ!?」



「時原のことがずっと好き……!

あの時よりも、もっともっと、好きになってる」



首に巻きつけた腕に力を込める。


お願い、伝わって。

私の気持ち、届いて。



「もう一度、じゃないよ。もうずっと好きだよ」