妹を溺愛する兄が先に結婚しました

前屈みになっていた身体を戻した時原の横顔がこちらを向く。


相変わらず綺麗なその横顔に見惚れながら、彼の言葉を待った。


「折部から告白されたって聞いて、すごく後悔した。やっぱり昨日、すぐに2人を追いかけていれば良かったって……。

でも、真崎が『好きじゃない』って言ってホッとした」


「……?」


時原が私をチラ見して、ふっと笑みを零した。


「真崎は、こういう時は鈍感になるんだね」


え……。

鈍感ってどういうこと……?


意味がわからず、自分のこめかみを指で押してみる。

なんでその行動を取ったか不明だけど、脳に刺激を送れば頭が働くのではないかと思って。


……ま、当然。それでも解決せず。



時原が再び口を開いたので、考えないことにした。


「俺、前に……和奏に気持ちを話そうと思ったのは『向き合うため』って言ったの覚えてる?」


「うん。……爽と、でしょ?」


「違う」


「じゃあ、和奏と?……それとも自分とか」


ううん、と首を振った時原は、人差し指で私を指した。


「真崎と」


「え、私?」