妹を溺愛する兄が先に結婚しました

時原にもらった肉を口に運ぶ。


お腹いっぱいだけど、それだけはどうしてか食べられた。



……ああ、やっぱりそうだったんだ。


今の時原の行動で確信した。


「ありがとう」


もう一度、お礼を言う。


だけど、今度は肉をもらったからではない。


「?」


「助けてくれたんだよね。この前の時もそう」


「この前?」


「アップルジュース、くれたでしょ。

あの時も、お兄ちゃんの話題で困ってた私を助けてくれたんだよね?」


「んー、そんなこともあったかな」


曖昧な返事。


だけど、否定はしなかった。



ほとんど関わったことがなかった時原。


彼の新しい一面を知れたのが、すごく嬉しかった。