どうせいつかは切れる縁。期待はしない。


……はずなのに。

転校した俺は、あいつからの手紙を待っていた。



うるさくて面倒くさかったけど、嘘を吐く子ではなかった。



だから、手紙が来なくて……。

裏切られた気がしたんだ。



「ねぇ、折部。あたしと付き合って」


飄々とした態度で俺に告白するクラスメイトの女子。


「……、いいよ」


女子なんて簡単に裏切る生き物。


本気になるより遊びで付き合う方が楽しい。


遊びでもいいからという子とだけ付き合う。

その方が、お互い本気じゃないってわかるから気が楽だ。



俺が覚えたのは、世を渡るための笑顔と程よい付き合い方。



高校入学と同時にこっちに戻ってきた。


その頃にはもう、あいつのことは忘れていた。


適当に程よく人付き合いして、過ごす日々。