逃げるように洗面所を出た私は、再び閉められた洗面所のドアに背中を預ける。


力なくその場にしゃがみ込んで、両膝の間に顔を埋めた。


顔が熱い。

全身が(うず)いている。


お兄ちゃんや折部くんにされた時とは全然違う。


触れたところが熱くて全身に広がって、苦しいほどに脈打つのに全然嫌じゃない。


『カウントしないでね』


……無理だよ。

こんなに心が揺れるのに。