「折部くんに呼ばれて」


「無視すればいいじゃん」


「そうなんだけど。……用を聞いて、こういうことはやめてもらうようはっきり言おうかなと」


「…………」


時原は俯いて黙ってしまった。


だけど、手首を掴む手が……絶対離さないとでも言うかのように、ぎゅっと強くなった。



心配してくれてるのかな……。

そうだったら、気が咎める。


「あの……、じゃあ一緒に行ってくれる?」


反応を探るように言う。


顔を上げた時原は、目を丸くしていた。


「迷惑かけちゃうかもだけど……」


「行く」


すぐにまっすぐな言葉が返ってきた。