「真崎は辛い時でも笑うからちゃんと言って」


「え、そう?」


確かにいつも通り振る舞おうとはするけど、笑っている自覚はなかった。


「うん。ほんとはそういうのも見抜けるようになりたいんだけど」


「優しいね、ありがとう。……でも、ほんとに大丈夫。嫌いって言われても全然ショックじゃなかった。むしろムカついたくらいだし」


「それならいいけど……。何かあったら、というか何かある前に俺を頼って」


優しい声色で投げかけられた言葉に、小さく頷いた。



いろいろなことが起きて感情に振り回された2日間の文化祭は、こうして幕を閉じた。


壊れていく装飾品たちを眺めながら、自分が捨てた気持ちと守りたい想いに向き合う。