妹を溺愛する兄が先に結婚しました

そう気持ちを切り替えて、ミサンガをポケットにしまおうとした時。


隣を歩いていた時原が「気持ちか……」と呟いて、私にミサンガを差し出してきた。


私のとは違って綺麗な模様のミサンガ。


「真崎にあげる。

ミサンガって要は願掛けでしょ。俺の願いは、真崎の願い事が叶うことだから」


そう言って、私の手のひらにミサンガを乗せた。


「……ほんとにもらっちゃっていいの?」


「うん、いいよ」


時原はわかっているのかな。


私の願い事はただ1つ。

時原に好きになってもらいたいことなんだよ?



「じゃ、じゃあ、私のも……、ってこんな下手くそなやついらないか」


「くれるならちょうだい。真崎の気持ちがこもってるならなんだって嬉しい」


ポケットにしまいかけたミサンガをさっと手渡した。


「ありがとう」と微笑む時原から目を逸らす。


……もうダメ。

嬉しくてドキドキして、それが隠せない。


時原からもらったミサンガを胸の前で握り締めながら、私の顔はたぶん緩んでいた。