妹を溺愛する兄が先に結婚しました

4人掛けのテーブル。


私の隣には男の子が座っていて、斜め向かいにはお母さんが座っている。


向かいの席は空いていたんだけど。

ふと、椅子が引かれて誰かが腰をかけた。


私が顔を上げるのと同時。


「何してるの?」

と優しさを含んだ声で聞いてきたのは、時原だった。


今は時原も自由時間なので制服。

白いワイシャツの上にパーカーを羽織って、腕まくりしている。


「え、どうしたの?」


問いかけに答えず、質問返しをしてしまった。


「真崎を探してた」


「あ、そう……。クラスで何かあった?」


「別に何もないよ」


だったらなんで私を探していたんだろう、と思ったけど、PTAの人がミサンガキットを持ってきたので聞くのはやめた。



先に始めたはずなのに、時原とほぼ同時に編み終わった。


親子は作り終わってもういない。



教室を出て、歩きながら自分の作ったミサンガを見る。


「やっぱり下手くそー」


なんとか形にはなったけど、歪んでいて不恰好。


「ま、でもいいや。さっきの男の子も言ってたけど、気持ちがこもっていればいいもんね」