「真崎先生、結婚するんだって」


「ショックー」


「結構本気で狙ってた子いたよね」


自動販売機前で何を買おうか迷っていると、そんな会話が聞こえてきた。


顔だけで女子高生をたぶらかせるなんて贅沢な男。


何がいいのかわからないけど、外面だけはいいからね。


ま、私には関係ないけど。

なんて高を括っていると。


「あ、真崎さん!

ねぇ、真崎先生の結婚相手ってどんな人?」


なぜか私に話しかけてきた。


他クラスの子で、ほとんど話したことがない。


“真崎先生の妹”ってだけで、私はそれなりに有名人だったりするわけで。


はた迷惑な話。