妹を溺愛する兄が先に結婚しました

~Side 爽~



『爽っ!』


誰かに名前を呼ばれた気がした。



「──っ!」


パッと目を覚ますと、白い天井がまず目に入った。


「起きた?」


次に視界に入ったのは、宿泊所のおばさん。


「ここは……?」


「宿泊所よ。熱中症で倒れたらしいんだけど……、覚えてない?」


「倒れた……?」


そういえば、なんかボーッとして気持ち悪くてクラッときたんだっけ。


その後のことは覚えてないから、今布団で寝ているってことはきっと運ばれたんだ。



「先生を呼んでくるから待っててね」


おばさんはそう言って部屋を出ると、すぐに男バス副顧問の真崎先生を連れてきた。


まさか真崎先生を連れてくるとは思わなかったので、慌てて身体を起こす。


「浅香、大丈夫か?」


「あ、はい……。大丈夫です。迷惑かけてごめんなさい」


「俺は、『浅香が倒れたから様子を見てくれ』って言われて来ただけだから。

……その言葉は、運んできた女バスの顧問と、結咲に言ってやって」


「え……、結咲?」