今は教師をしている兄だけど、これでもやんちゃしていた時期がある。
高校1年生の時だったかな。
家に帰らず遊び回る日々を送っていた。
そんな兄が、和奏に『家にはちゃんと帰れ』って説教したのが可笑しかった。
「あの時のことを後悔してるから言わないといけないって思ったんだよ。偉そうだった?」
「うん、すっごく。
……でも、ちょっと見直しちゃったかな」
ちゃんと先生なんだって。
「え?……結咲、今なんて言った?」
「さてと、シャワー浴びてこようかな」
「ねぇ、結咲。もう1回言って。“惚れちゃった”って言ったよね?」
「そんなこと言ってない!」
……褒めなきゃ良かった。
***
翌朝。
「ふわぁ~……──わっ!」
大きな欠伸をしていたら、部屋の前で和奏とばったり出くわした。
……恥ずっ。
思わず顔を手で覆って隠す。
「なんで隠すの?」
「いや……、なんか、男子に寝起きを見られるのは恥ずかしいっていうか……」
「そういうもん?」
和奏は大して気にした様子も見せず、階段を下りていった。
高校1年生の時だったかな。
家に帰らず遊び回る日々を送っていた。
そんな兄が、和奏に『家にはちゃんと帰れ』って説教したのが可笑しかった。
「あの時のことを後悔してるから言わないといけないって思ったんだよ。偉そうだった?」
「うん、すっごく。
……でも、ちょっと見直しちゃったかな」
ちゃんと先生なんだって。
「え?……結咲、今なんて言った?」
「さてと、シャワー浴びてこようかな」
「ねぇ、結咲。もう1回言って。“惚れちゃった”って言ったよね?」
「そんなこと言ってない!」
……褒めなきゃ良かった。
***
翌朝。
「ふわぁ~……──わっ!」
大きな欠伸をしていたら、部屋の前で和奏とばったり出くわした。
……恥ずっ。
思わず顔を手で覆って隠す。
「なんで隠すの?」
「いや……、なんか、男子に寝起きを見られるのは恥ずかしいっていうか……」
「そういうもん?」
和奏は大して気にした様子も見せず、階段を下りていった。



