パシュッと綺麗な音が決まる。


ワーッと歓声が上がった。


「結咲があの状況で3ポイント!?」


「ていうか、はやっ！」



……お兄ちゃん。

どうやら私は、強いんじゃなくて、神経が図太いようです。



「｢ありがとうございましたっ｣」


試合が終わった。


ベンチに戻るとクラスメイトに囲まれて、


「結咲ーっ！すごかった！」

「超カッコよかったよ！」


口々に褒められる。


勝利できたせいか、みんな興奮気味。


「結咲があんなに攻めるなんて珍しいね。なんか静也みたいだった」


いつもの私を知っている爽には驚かれた。


……私、そんなに攻めてた？


「普段のプレースタイルも似てるのに、攻め方まで似てるのな、お前ら」


和奏がそう言った時、ちょうど横を三つ葉ちゃんが通った。


目が合って、軽く会釈する。



……もしかしたら、無意識下で『三つ葉ちゃんに負けたくない』って思いが働いていたのかもしれない。