最近、和奏がうちに入り浸るようになった。



「あー、美味かったー」


「和奏くんよく食べるわね。おばさん、嬉しい」


和奏の底知れぬ胃袋に母はうっとり。



もうすっかりうちに馴染んでいる和奏。


前に『避難させて』と言ってから、

初めはたまに来る程度だったけど、最近は毎日うちに来るようになった。


というのも、期末試験前で部活がなく、放課後に大きく時間が空いたから。

どうやら家にいる時間を減らしたいらしい。


うちに来て、一緒に試験勉強して、夜ご飯を食べて帰る。

それがここ最近のサイクル。



「部活がある日はもっと食べますよ」


「ゆうちゃんはダイエット、おうくんとゆかちゃんは少食だからあまり食べてくれないのよ」


「ちょっと!私も少食って言ってくれない⁉」


「真崎、ダイエットしてんの?

しなくていいじゃん。部活中に倒れたらどうするんだよ」


「頑張って今の体格を保ってるんでしょうが。

それに無理なダイエットはしてない」


それでもまじまじと私の身体を見る和奏。


ほんとに失礼。

女の努力をわかってない。


爽みたいに何もしないでも綺麗な体型の人なんて限られてるんだから。



そんな私たちの会話を、父母とゆかなさんが笑って聞いている。


和奏が来てからうちがより明るくなったのは認めよう。