「あ、ちょうどいいところに。

バドミントンしてたら羽が引っかかっちゃって……」


見上げると、木の枝と枝の間にバドミントンの羽が引っかかっていた。


「結咲のノーコンのせいで」


「ノーコンじゃないっ!」


「あははは!」


真崎がすかさず否定すると、場が笑いに包まれる。



ちょっとジャンプしただけでは届きそうにない高さ。


男子たちも羽を落とそうと挑戦を始めた。


その状況を眺めていると、不意に真崎と目が合った。


「眠そうだね」


微笑みながらそう言ってきた。


よく言われる、『眠そう』って。

だから別にいつも通りのことなんだけど……。


「静也はいつもそんな感じじゃない?」


適当に爽が口を挟んできた。


「んー……、いや!いつもより眠そう」


真崎がそんなことを真剣に言うもんだから、可笑しくて吹き出しそうになった。