夏目……、

そういえば前に洗濯当番の時に話した。


真面目そうというか真面目だと思う。



「でも、可愛いよな。ちっちゃくて小動物っぽい」


「愛でたくなる系?

なんかに似てる……。あ、リス?」


「リスっぽい!」


リス……、

うん、なんとなくわかる気もする。



「リス可愛いよな」


そうかな……、俺は。



「リスよりウサギの方が好き」



ついそんな言葉が口に出た。


「え、なんの話?」



……うん。

ほんと、なんの話をしてるんだろう?



渡り廊下に差しかかった時。


「お、女バスだ」


和奏が声を漏らした。


視線の先に女バスの2年がいて、中庭の木の周りに集まっている。


その中心で、ラケットを持ってぴょんぴょん跳ねる真崎。


「何してんのー?」


和奏を先頭に、俺たちは近寄った。