妹を溺愛する兄が先に結婚しました

「何もしてないって」


「いいからさっさと練習に戻れ」


戻る和奏の背中を見送りながら、

……ごめん、和奏。

と心の中で謝る。



代わりに、兄がしゃがみ込んで。


「何を話していたのかな?」


とにこやかに聞いてくる。


その笑顔が怖いです。


「お兄ちゃんに関係ないでしょ」


「関係なくないよ。結咲のことで俺に関係ないことなんて何1つないよ」


めちゃくちゃだな……。


「ほんとに大したことは話してないって。和奏の兄弟のこととか」


「和奏の?……へぇ。

ま、いいや。頑張ってね」


一瞬真顔になったかと思えば、いつもの飄々とした表情で戻っていった。


……何しに来たんだ?



仲が良いに越したことはないんだろうけど。


それでもやっぱりうちの兄はおかしいと思うんだ。



***



仮入部期間が終わると、あっという間に落ち着いた。


あんなにいた仮入部生も、実際に入部したのは3分の1以下。


これも毎年恒例らしい。