妹を溺愛する兄が先に結婚しました

最初に兄と目が合った。


「ちょっとお兄ちゃん。私情で説教しないでくれる」


「俺は悪くねぇよ。そいつらが悪い」


ガキか。大人げない。


「みんなも兄の冗談を本気にしないで」


「いや、あれは冗談じゃなかった。目が本気だった」


怯える1年男子たち。


こうして私の評価が落ちていくのか……、と思うとやっぱり『許すまじ兄』ってなるんだよ。



「真崎、遅刻した分際で楽しそうね」


「ごめんなさい……──って三倉先輩⁉どうして」


咄嗟に謝れば、目の前にいたのは3年の三倉先輩だった。


「もうすぐ卒業でしょ。最後に3年生全員で部活荒らしに来た」


「荒らしって」


可愛い顔して過激だな。


……って、そうか。もうすぐ卒業式だ!