ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「あ、あと!とっておきのが一個ある!」


なんて調子に乗った私は、カバンから一冊のノートを取り出す。


織くんにステーキ描いて欲しいとねだられたときは、みんなに見られたらどうすんの!なんて言ってたのに。


「なになになに、もうこれ以上は本当に死ぬぞ」


としゅーちゃんが隣で目を覆いながら騒いでいるのもおかまいなしに、


私はあのページをテーブルの真ん中にバンッと開いてみせる。


「みて、このらくがきの隣!織くんが、私の名前書いてくれたのっ!!」


と私史上最大のドヤ顔して。


「ちょ、ま、おい、まて、失明した!失明した!なに?!織くんの直筆だとぉ?!」


「ななな、なんでそんなシチュエーションになるのっ!意味わかんない!世界!」


「まって、織くん、めちゃくちゃ字きれ……泣いた……水くれ、水……興奮で喉からっからなんですけど!!」


と大興奮のみんな。


発するワードが全体的に気持ち悪くてちょっと引く。
見せたのは私なんだけど。