「まぁ、本人が違うっていうんだから違うんじゃね」
「あの柳瀬と白井がっていうのは、正直想像できないわ」
おいちょっとそこの男子、聞き捨てならないんだが。
まぁ、でも、実際そうだから言い返せないんだけど。
ガラッ
突然、勢いよく教室のドアが開くと、そこにはクラスメイトの女の子がひとり。
爽やかな笑顔で口を開いた。
「今、織くんにも聞いたみたいなんだけど、付き合ってないって!!」
そのセリフを聞いたクラスの女の子たちが一斉に安堵の声を漏らす。
「よかったー」
「まあ白井さんは違うよね」
などなど。
ちょっとみんな。辛辣すぎませんかね。
まあ、噂が嘘だってわかってよかったんだけど。
なんだろう。
みんなに織くんと関わりがあること、バレたくなかったはずなのに。
ここまで、あっさりとされるのもちょっと癪というか……なんて!!
いや、よかった!!あのままみんなが噂を信じたりしたら、それこそめんどくさいことになってたに違いないしね!うんうん!



