翌日の朝。


私は、愛菜さんに、織くんと時間をずらして学校に行くことにしている理由をしっかりと伝えた。


今まで嘘をついて早めに家を飛び出していたこともきちんと謝って。


私が事情をちゃんと説明したら、愛菜さんは「本当のこと話してくれて嬉しい」と言ってくれて、


私にお代わりのオレンジジュースを注いでくれた。


なんだか愛菜さんと少し距離が縮んだ気がしてほっこりした気持ちになる。


「それにしても、織ってそんなにモテるの?」


「愛菜さん、モテるってものじゃないですよ、もう、芸能人ですよ!アイドルです!」


と、朝から私の織くんヲタクスイッチが入ってしまい、この口がペラペラと話し出す。


「付き合うとか付き合わないとかそういうことではなくて、なんというかもう、尊い、というか。生きてるだけで感謝!的な!」


推しのお母様に向けてこんな語彙力のない話をするなんて、異様な光景すぎるよなと反省する。