ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。


広夢が自分の気持ちに気付かなければいいのに、そう思いながら何度も、こっちに気を逸らそうと必死で。


でも全部無駄だった。


極め付けは。


『……俺は、初花のこと女として見れない。でも、初花は俺のこと……好きだと思うから』


せめて、この気持ちを伝えるかどうかは自分で決めたかったのに。


それも全部バレていて。


『ただの幼なじみだよ、友達だよって、言えたらいいけど。お互いそう思ってないと、嘘になるから。気付いてるまま曖昧にしたくない』


『こういうの、全部やめよう』


お互いの家を行き来するのも、放課後コンビニに寄って夏はアイスを買って、冬は肉まんを半分個にすることも。


教科書の貸し借りも、相手に触れることも。


全部、終わり。


そうやって、一方的に、終わらされたけど。
きっと、これは幼なじみの広夢に恋した私が全部悪くて。


泣いた。一生分。