ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



柳瀬“先輩”って呼んでいるから、この声はきっとうちの後輩。


「彼女さん、とか?」


「えっ、嘘!!」


はっ!!!!


しまった。
これはまずい。


私は重大なミスを犯してしまっていた!!


通学路で織くんとふたりきりでなんかいたら、勘違いされちゃうに決まっているよ!


大変だ、大変だ。


この状況を一刻も早くなんとかせねば!!


「あ、あの、織くんっ」


「ん?」


チラッとこちらに目線を向けるその仕草さえもいちいちカッコ良すぎる。


色素の薄い髪がサラッと揺れて。


って!!見惚れてる場合じゃなくて!!


「今日までに提出の課題があったのすっかり忘れてて!その、今からダッシュで学校行ってやるから、先に行くね!」


「えっ……」


「ほんとごめん!!ここまで一緒に来てくれてありがとうっ!!おかげで道覚えられた!!じゃっ!!」


「あ、ちょ、白井さん───」


名前を呼んでくれた彼を置いて。
私は、全力で走った。