「……さん、」


優しくて甘い香りが鼻を掠める。


「……んっ、」


「白井さん」


わあ……織くんの声だ。
目をつぶったまま、その癒される声に口元が緩む。


「朝だよ、白井さん」


織くんが、私のことを呼んでいる。
ぐへへ。


「学校、遅れるよ?」


ん?
織くんが……。
呼んでる……?


お、織くんが?!


意識がはっきりしてバッと目を開くと。


そこには綺麗な顔がドアップでこちら見ていた。


「ぎゃっっ!!お、織くんっっ!!なんで!!」


「おはよう白井さん。なんでって。また説明するの?」


とちょっと眉毛を下げて笑う織くん。


な、朝から刺激が強すぎる。


そ、そうだった……。
私、昨日から織くんちに……。