「ふはっ」
え……。
……織くん、笑った?
なに今の破壊力。
多分、私、死んだと思う。
「白紙のノートなんて借りてどーすんの。白井さんっておもしろいよね」
「なっ、」
『おもしろい』
推しが私自身のことをそう話しているって言うのに、笑顔がすごすぎて、反応が遅れてしまう。ど、どうしよう。
だって、織くんの笑ったところなんて初めて見たよ。
世界の中心で織くんが笑ってくれたらあらゆる紛争が一瞬でなくなるんじゃないか。
「じゃあ、進み具合被ってそうな教科だけでも」
固まって動けない私をよそに織くんは続ける。
「あ、でもそもそも時間割も違うから、結構限られちゃうか。うわ……ほんとごめん。勢いで来て全然役に立てなくて……俺、ポンコツすぎるね」
うわ、なんだか織くん、学校のイメージと違ってめちゃくちゃ喋るじゃん。
お口ずっとぱくぱく動いている可愛い。
心の声は一生うるさいのに、織くんを前にすると、『うん』か『なっ』しか言えなくなるの本当にどうにかしたほうがいい。私。