「あ、でも」


ノートを見つめていた織くんが突然顔を上げて声を出す。


その仕草さえかっこよくて、もう私の脳内にある織くんのカットだけで、写真集を何十冊か作れちゃうレベルだ。


「俺と白井さん、クラス同じじゃないから進み具合とか変わってくるのか。クラスの友達から見た方が良かったよね。ごめん。俺、余計なお世──」


「そんなことない!!クラスの友達なんて基本授業聞いてないし!!ろくなこと書いてないよ、みんな!!」


ごめん。めぐちゃん、しゅーちゃん、ちーちゃん。


だって、こんなことで織くんに『ごめん』なんて言わせるの、織くんファンのみんなだって嫌だろうし。うんうん。


「白井さん……」


「だから、ありがとう!!すっごく、すっごく嬉しい!織くんのノートをもってきてもらえるなんて。たとえ白紙でも嬉しい!」


推しの私物だよ。そんなもの視界に入れるだけで料金発生しないといけないものじゃん!


課金しなきゃだよ!!課金!!