それは、数冊のノートで。
表紙には、教科名と織くんのフルネームがそれぞれ書かれている。


これって……。


「白井さん、今日、学校休んでたでしょ?だから、少しでも役に立つといいなって」


「えっ……」


織くん……学校休んだ私のために、ノート貸してくれるの……。


顔面が人類最高ランクだっていうのに、性格までそうなのか……。


ザ完璧人間すぎるよ。


本格的に織くんが輝きすぎて直視できなくなりそうだ。


「隣いい?」


「へっ!あ!うんっ!」


急に言われてとっさにそう答えたけど。
トナリイイ?ってどゆこと?!


織くんとふたりきりの空気になかなか慣れないなか、彼の動きを見ていると。


部屋の端に置いてあった椅子を持って、私の座る隣に持ってきた。


そして、なんでもないことみたいにちょこんと自然に座って自分のノートを広げ始めた。


なーーーー!!トナリイイ?って言葉通りの意味ですかーー?!


なんで!!なんで座るのっ!!
一気に心拍数が上がって顔が熱い。


お風呂に入った意味がないぐらい汗がやばいよ。