バタンとドアが閉まってすぐ。
体がふたたび織くんに包まれた。
「……ごめんね、勝手なことして。白井さんの大事な幼なじみなのに」
柔らかい声が鼓膜に届いて首を横に振る。
「織くんが謝ることなんてなにもないよ。逆にあんな恥ずかしいこと聞かせちゃって……織くんに幻滅されたんじゃないかと心配で……」
織くんの胸に顔を埋めながら呟けば、抱きしめる力がさらに強くなった。
「幻滅って、するわけないじゃん。……それに、心配はこっちのセリフ」
「へっ……」
織くんがなにを心配する必要があるんだと顔を上げると、
整ったフェイスラインがすぐそこにあって、心臓の音がたちまち速くなる。
「ふたりが再会しただけでも焦るのに。広夢くん、あんなこと言うから……。やっぱり、まだ好き?彼のこと」
「まさかっ!」
織くんからそんなことを聞かれるとは思っていなかったけど、いちばん驚いたのは、自分自身のセリフ。
まさかって……。
もしかして、私もう、ちゃんと広夢のこと……。
自分の気持ちが、今やっと、明確にわかった。



