「こんなタイミングでいうつもりじゃなかったんだけどな……」
と後頭部をかきながら少し困ったようにいう仕草がさらに私の胸の高鳴りを加速させる。
……これは、夢なのか。
「白井さんが、ヤキモチ妬いてくれたのかと思うと嬉しくて。気持ち抑えられなかった」
「えと……」
自分の口から発せられる音が全て言葉になっていない。
ちゃんと日本語を話してくれ白井初花。
いや無理だ、だって織くんが……私のこと……。
「……ひとりの女の子として、白井さんのことが好きだよ、俺」
「ちょ、ちょちょ、ちょっと待って!ストップ!あのっ」
手のひらを見せてストップのポーズをするけど、その手を優しく掴まれた。
「待たない。白井さんのことだから、初めてうちに来た時みたいに夢だなんだって信じてくれなそうだから。何回でもいう。俺、白井さんが好き」
「なっ」
「白井さんが他の男の人と仲良くしてるの見て嫌なのも、ただの独占欲なんかじゃない。好きだから」
浴びせられる言葉にもう頭が爆発してしまいそう。



