舞台が終わってすぐ、私は体育館を飛び出した。


私の名前を呼ぶみんなの声を無視して。


めぐちゃんたちから心配するメッセージが届いたけれど、


『今はちょっとひとりになりたい』


とだけ返して、私は今、校舎の一番端にある外階段に身を潜めている。


「はぁ……」


ここは人通りが唯一あまりないところだから、盛大にため息をついても誰にもバレない。


織くんと元通りになるどころか、あの舞台を見て圧倒されて、さらに自分が今までいかに身の程知らずだったのか痛いほど実感した。


そして、同時に嫉妬心まで。


私と織くんは釣り合わない、だけど、私以外の子と親しくしているのを見るともやもやして苦しくなって。


頭も心もぐちゃぐちゃだ。


みんなに嬉しい言葉をたくさんかけられて調子に乗っていた分、反動がすごい。


私はシンデレラではないし、魔法なんて使えないから。