「いい?初花。そりゃうちらも織くん大大大大好きだしずっと推しだよ」
「うん、だったら──」
「だからわかるんだよ。織くんが今、誰のことを一番思っているのか」
「……っ、」
そのセリフになんだが目頭が熱くなってしまった。
「まぁ、別に織くん推しでもなんでもない山口が気付くぐらいだもんね、もうすごいよ、織くんが初花を愛おしそうに見ている目」
やめて欲しい。
「いや、いやいやいや、だからそれは、同居人として、」
「いーや!初花だって正直少しは思うでしょ?あんだけ大事そうにされたらさ。織くん、私のこと好きなんじゃないかって」
とちーちゃんまでもそんなことを言う。
「そうそう!てか最高じゃん初花!推しが自分のことを好きだなん──」
「違うっ……」
少し大きな声で、しゅーちゃんの声を遮った。
「初花、なんで……」
うまく言葉が出てこない。
喉に何か詰まってるような感じ。



