ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。






山口くんに離れて作業してほしいと言われて不貞腐れた私は、ちょうどめぐちゃんにペンキの追加を一緒に取りに行こうと誘われて。


ちーちゃんとしゅーちゃんも連れて、4人で美術室へ向かった。


「……まぁ、正直、山口が言うのもわかるよ」


「えっ」


誰もいない美術室に入り、使う分のペンキ缶を手に持って美術室用の大きめの机に置いためぐちゃんが、そう言ってそのまま席に腰を下ろした。


ここに来るまでに、ちょろっと山口くんに言われたことを愚痴っていたら、


めぐちゃんから予想外のセリフが飛び出して来て、ちーちゃんやしゅーちゃんもうんうんと頷いていた。


え、え、え?!
なに!!


「3人とも、山口くんの肩持つの?!」


「いや、肩持つどうこうの話じゃなくてさ」


めぐちゃんが頬杖をつきながら、話し出す。