ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。






売店から教室に帰って来て、山口くんが買ったお菓子を広げながら作業を再開していると。


「あーいいなー!初花と山口!」


としゅーちゃんの声がして、山口くんが「げっ」とあからさまに嫌そうな顔をした。


しゅーちゃんは今年の春の遠足で、山口くんのポテチを袋ごと奪っていたから。


山口くんが警戒するのも無理はない。


「ねぇ、私にも一口ちょうだい」


「ぜってぇやだ。お前にはやらん。一口とか言って全部食うじゃん」


「はぁ?そんなことしないし!ポッピーちょーだい!ちょーだいー!」


「あーうるせーうるせー!はぁ……1本だけだぞ」


子供みたいに駄々をこねたしゅーちゃんにしぶしぶお菓子の入った箱を差し出した山口くん。


しゅーちゃんは、スティック型のプレッツェルにチョコがコーティングされたそれを袋から3本取り出すと、パクッと口に入れた。