ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



今度は織くんと抜け出すってどういうことだ。心臓がドクドクとうるさくなってしょうがない。


「あー、そう言えば、白井って今柳瀬のところに住んでるんだっけ」


……あ、山口くん、いたんだっけ。なんて失礼なことを思うレベルで、私の頭の中は今、織くんでいっぱいだ。


「う、うん」


一部始終を見ていた山口くんに聞かれて答える。


「大丈夫かよ。柳瀬にもさっきみたいなでかい腹の音聞かせて」


「な、聞かせてないし!」


いや、断言はできないけど。
もしかしたらどこかで聞かせたかも。


「もし仮に聞かせてたとしても、織くんは山口くんと違って優しいからね〜聞いてもからかったりしないの」


「あそ」


「自分で聞いといてなんでそんなに興味なさそうなのさ」


と唇を尖らせる。


「別に……てか、お前ら本当に付き合ってないの?」


「えっ?!ないないない!ありえない!そもそもあの織くんが私のこと好きになるわけがないじゃんか。恐れ多いから!!そういう次元じゃないの!」


「……そんなこと、ねぇんじゃね」


と小さく山口くんが呟いた。


「え?」


「嫉妬に狂った目してたし」


「なにそれ」


「いや、頭ん中食べ物ばっかの白井にはちょっと難しいかなー」


「ホントもうそのいじりいいから!」


山口くんの肩をポカポカ叩きながら、私たちは売店まで向かった。