『有川さんとは付き合えない。ごめ───』
『春樹くんが、私のこと好きだから?』
『は?』
耳を疑った。
まさか、この人、ずっと春樹の気持ちに気づいていたっていうわけ?
『知ってたの?』
『うん。だってわかりやすいもん。でも、春樹くんには悪いけど、私は柳瀬くんが好き。私じゃだめ?』
『待って、俺は、ふたりがうまく行くといいなってずっと……』
『うん。それも知ってる。柳瀬くんのそういうところ、好きになったから』
彼女はそう言って、俺に一歩近づいた。
『そうやって、友達のために慣れないこと頑張っちゃうところ。柳瀬くん、本当は人と話すのあまり好きじゃないでしょ。でも、春樹くんのためなら苦手なこともそんなに健気に頑張るんだって』
最悪なことが起こってしまったとこっちは嫌な動悸や冷や汗がすごいのに。
そんな俺をよそになんだかすごく楽しそうに話す彼女を見て、沸々と怒りが込み上げてきた。
『なにが言いたいの』
イラつきを含んだ声でそういえば、突然、彼女が俺の制服のネクタイを引っ張って。
『……かわいいなって思った』
っ!?
『ふたり親友でしょ?あの春樹くんならわかってくれるよ。私と柳瀬くんが付き合っても──』
『やめろっ、俺は──』
そう言いかけたとき。



