〈織 side〉
小1の頃、父親が事故で亡くなり。
心にぽっかり穴が空いたような喪失感から、塞ぎ込むようになって。
家では母さんに心配させないように、逆に俺が母さんを支えなきゃと気を張っていた分、学校では人と関わることを避けるようになって。徐々にクラスで孤立していった。
そんな俺が小5の時に出会ったのが、転校生の春樹だった。
転入生だと言うのに、持ち前の明るさとコミュニケーション能力で、彼の周りには一気に人が集まるようになって。
誰にでも分け隔てなく気さくに声をかける彼は、教室の隅にいるような俺にも、よく話しかけてくれた。
『柳瀬も来いよ!』
6年生になり再び同じクラスになってからも、そう何度も、俺の名前を呼んでくれて。
中学に入学してより、ふたりでいる時間は増えていった。
春樹のおかげで俺もすぐにクラスの人と打ち解けられるようになって。
初めて、学校が、人と過ごすことが、楽しいと思えるようになっていた。



