ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「どう?」


「やっ、その、どうって、言われましても……控えめに言って失明しそうです」


そう言いながら、慌てて自分の顔を両手で塞ぐ。


だって、近すぎるんだ織くんが。


お互いの吐息がかかりそうなほどの距離に顔を背ける。


呼吸が止まってしまいそう。というか、止まる。


織くんの顔をアップで見る耐性だって全然ついていないのもあるけれど、自分の顔を間近でジッと見られるのも耐えられない。


見苦しいものを申し訳ない。


吉村さんと織くんの壁ドンを見て、いいな私もしてもらいたいな、なんて心のどこかで軽率に思ってしまったことを反省する。


いざやられると、想像の1兆倍やばい。


「顔、隠さないで」


「ひっ」


顔を覆っていた手を、織くんが優しく取ったかと思えば、ちょっと強引に、その手をそのまま壁に押し当てた。


「ちょ、織くんっ、」


突然のことに動揺しまくりでまともに織くんを見れない。