ひとつ屋根の下、憧れモテ王子は甘い愛を制御できない。



「んもうすごかったよ!吉村さんも顔はいいからさ……2人並ぶとやっぱりお似合いというか、あ、顔がね?吉村さんの性格はあの置いておいて!そりゃ私みたいなのが織くんのそばにいるの納得いかないに決まってるし、ああなっちゃう気持ちもわからなくもないというか……いやーーそれにしてもふたりの顔面が強すぎ───」


「白井さん」


さっきまでの緊迫した空気からの緊張が解けたからか、ベラベラと止まらない私に、織くんが声を被せた。


「一旦落ち着こう」


「……あ、はい、」


「まず今のチャイムで、俺と白井さんの遅刻が決定したわけなんだけど」


「はっ、」


な、なんてこった!!そうだ!!チャイム!!


「わっ、ごめんなさいっ、織くん!私のせいで!」


「いや、白井さんのせいじゃないからっ、ほんと謝らないで。……その、どうせ遅刻なら、ふたりで少しサボっちゃおうか、なんて」


「え……」


なに!!その悪い子な発言!!
ギュンギュンしちゃうじゃんか!!


織くん……そんなこと言っちゃうの。
成績優秀なあの織くんが。


「どう?白井さん」


そんなの、答えは一つに決まっている。