学校で目立つ存在の吉村さんたちが、私への嫌がらせをしていた犯人だったこと、織くんの新たな一面を見れたこと、いろんなことが一気に押し押せて。
「……はぁ、」
鳴り響くチャイムが合図かのように、全身の力が抜けて、私はその場にヒョロヒョロと座り込む。
半分以上は、織くんと吉村さんの壁ドンの刺激があまりにも強すぎたことが原因だと思うけど。
「白井さんっ、大丈夫?!」
「……いや、全然大丈夫じゃないです」
慌てて駆け寄ってくれた織くんにそんなことを吐くんだから、調子に乗りすぎにも程がある。
「もしかして他にもなんかされた?」
さっき吉村さんを叱っていたときとは打って変わって優しさ全開で真剣に私を心配してくれる織くん。
惚れる。
「織くんの……織くんの壁ドン、破壊力がすごすぎてっ、全然大丈夫じゃない、心臓痛い最高ありがとう」
「か、壁ドン?」
「え、織くんまさか、壁ドン知らない?!」
「いや、聞いたことはあるけど……」
わぁ、織くんあれ完全に無意識だったのか。



