「……体育館の、靴箱に」


「えっ、あ、そうなんだ!織くん、体育館まで探しに行ってくれたんだね……ありがとうほんと」


「ううん。見つかってよかった」


と織くんが安心したように言うけれど、まだその表情は曇ったまま。


織くんにこんな悲しそうな顔させたままなのは嫌だよ……。


「それにしても、あんなとこまで行ってわざわざ隠すなんて、犯人、一周回って私のこと大好きなのかもしれないっ!なんてね!」


「白井さん……」


冗談を言って笑って見せても、織くんの反応はイマイチ。


そんな顔をしてもイケメンなことには変わりないのだが。


「それにこの靴!織くんに見つけてもらえるなんて幸せ者すぎるよ!世界一幸せ者の靴だね!あと500年は履き続ける!絶対!」


「……500年って、……ふはっ、」


あ……。
織くんがやっと笑ってくれた。