「ああカッコいい……織くんカッコ良すぎる……朝の男なんて基本寝癖つけて目つき悪くて不機嫌じゃんなんであんなに爽やかに登校できるの……」


同じグループの野原(のはら) 恵羽(めぐは)。通称めぐちゃんが織くん以外の男子をわりとデカボイスでディスりながら言う。


ごもっともだけど、クラスの男子の数人が不愉快そうにこっちを見ているからやめていただきたい。


「わっかる、眩(まばゆ)すぎて失明したわ」


とちーちゃんこと中森(なかもり) 千夏(ちなつ)ちゃん。


「え、私、あの輝きでめちゃくちゃ視力良くなった気がする。多分あれだ、8.0とかある今。初花のブラの色当てられる」


なんてしゅーちゃんこと三上(みかみ) 朱音(しゅね)ちゃんが手で双眼鏡を作ってそれを目に近づけて、私のほうを覗くように見てきた。


「やめて！今日あんまり可愛くないのっ！」


そう言って冗談混じりに腕で胸元を隠せば。


「それ視力の問題じゃねぇ」


「ただの透視で草」


「ただのってなんだ！すごいだろ透視！」


めぐちゃんとちーちゃんがそれぞれしゅーちゃんに雑につっこんで。


いつもの私たちの1日が始まる。