なっ!!近い!!
織くんの!!顔がっ!!
「っ、ちょ、織く──」
グッと詰められた距離に我慢できなくて声が出る。
「こういうの、いつから」
「へっ、」
織くんは私の背後にある靴箱の中をチラッと確認してから、こちらに視線を向けた。
こういうのいつからって……。
もしかして織くん……私の靴がないのは、誰かの仕業だと思っている?
「えっと……」
「最近、白井さん、様子おかしかったから。何かあったのかもって思って。だから、今日話聞きたくて一緒に帰ろうって誘ったんだ」
「……っ、そう、だったんだ、」
織くんにはバレないようにって徹底してたつもりだったんだけど……。
異変には気付かれていたなんて。
情けないような、ちょっと嬉しいような。



