その日の放課後。
「白井さん」
帰りのショートホームルームが終わってすぐ、教室の後ろのドアの方から名前を呼ばれ。
その聴き慣れた声に心臓が飛び上がった。
声のした方に目を向ければ、キラキラオーラ全開の織くんが立っていた。
ま、眩しい。
ていうか!今、私のこと呼んだよね織くん!!
教室にいるほとんどの生徒が、織くんと私を交互に見ている。
私のことをこんな風に呼び出すなんて、ど、どうしたんだろうか……。
織くんがみんなの前でこうして話しかけにきたのは、私のお弁当を届けに来てくれたとき以来初めてだ。
みんなから大注目の中、ちょこちょこと早歩きで織くんの方へと向かう。
「どうしたの、織くん……」
「一緒に帰りたくて」
っ?!
織くんの発言に、教室が一気にざわつき出した。
な、なんだって?!
私と織くんの同居がバレても、ふたりで登下校することなんてなかった。
それなのにどうして今、突然、一緒に帰りたいなんて……。
みんなの前でそんな大胆なことを言われちゃ、そりゃ私の身体中熱くなってしまうわけで……。



